「三国恋戦記」を手がけた乙女ゲームブランド「Daisy2」より、2015年に発売された女性向けPC用恋愛アドベンチャーゲーム『絶対階級学園~Eden with roses and phantasm~』が2016年6月30日に待望のPS Vita版となって登場!
Vita移植版の発売を前に、今回はPC版『絶対階級学園』のプレイレビューとおすすめポイントをご紹介します。
あらすじ
物語の舞台は2026年の日本。
貧民地区に暮らす主人公の『藤枝ネリ』は、たった一人の家族である父親が失踪した際に残した手紙に従い、父の友人が経営する「私立櫂宮学園」へと転入することになります。
その学園は、世俗とは隔絶された孤島にある中高一貫教育の全寮制学園。
出迎えてくれた萌花という同級生に案内され、島へと足を踏み入れたネリは言葉を失います。
そこは全てが美しく洗練された、セレブにのみ許された場所でした。
余りのことに呆然としていたネリは、ある男子生徒とぶつかってしまいます。
すると萌花の表情が一変。彼女は「ごめん」と謝る男子生徒に冷たい声で告げます。
『言葉だけじゃダメよ。土下座しなさい。』
驚くネリの前で、言われた通り土下座をする男子生徒……。
この学園には、想像を絶する身分差別『絶対階級制度』が存在したのです――!
キャラクター
ネリの恋のお相手になる男子生徒は、「かっこいい」という単純な言葉では片づけられないような、癖のある男の子たちばかりです。
彼らの誰もが心に闇を抱え、歪んだ幼さを持っています。
彼らは、人を疑うことを知らないまっすぐな性格のネリと出会うことによって、次第に人として成長していきます。
抱きしめてあげたい。支えてあげたい!
そういった想いをくすぐられる、魅力的なキャラクターを一人ずつご紹介していきます。
特権階級「咲き誇る薔薇」の中でも更に一目置かれ、『赤薔薇様』と呼ばれているオレ様御曹司です。
プライドが高く自分勝手で傲慢。そして愛おしい程のお馬鹿。
彼の突拍子もない俺様な言動には、何度声を出して笑ってしまったことか!
「階級を気にしない」ネリに対して、最初はいちいち苛立つ陸ですが、
それも興味の裏返しで、次第にネリの物怖じしない姿に惹かれていきます。
そして、次第に明らかになる陸の辛い過去、苦しみながらもそれを受け入れる健気な姿には、涙が止まりません。
容姿端麗でどの階級にも分け隔てなく優しい、「咲き誇る薔薇」階級の3年生。
陸と同じく学園の中心的存在であることから「白薔薇様」と呼ばれ慕われています。
他の生徒たちから虐げられることの多いネリに対して、レイはいつでも優しく接してくれます。
普段は冷静沈着な彼ですが、ネリと想いが通じ合ってからは、衝動的にキスしたり抱きしめたりと、ストレートに愛情表現をする情熱的な一面も。
ネリのことになると余裕がなく、極端な思考に走ってしまうところが、普段の温和な姿とは対照的でとても萌えます!
エンディングでは、絡みあった糸を解すようにお互いを知っていこうと前向きに努力するレイとネリの姿にとても共感しました!
平民階級「名もなきミツバチ」の2年生。学内随一のプレイボーイです。
可愛い女の子とみれば手当たり次第に口説き、二股三股は当たり前。恋人のことも「飽きたから」という理由で簡単に斬り捨てたりします。
相手の階級によって態度をコロコロ変え、平気で嘘をつく彼ですが、ネリの「自分のことより相手のことを思いやる優しさ」に触れ、変わっていきます。
自分の弱さと向き合い、立ち向かい、乗り越えていく壱波の姿は、応援せずにはいられません!
奴隷階級「捨て置かれた石ころ」2年生の十矢は、学園の体制に抗う“レジスタンス”のリーダー。
聡明でポジティブで、たくましい彼は、大きな身体と同じく、器も大きい!頼れる存在です。
そんな彼の欠点は、自分でも気付かないところで潔癖。つまり、人の過ちを許すことがなかなかできないということ。
ですが、彼はネリとの関係を深めていく中で、人間的に大きく成長し、“人を許す心”を学んでいきます。
薔薇ルートでは、想い合っているのに、互いの価値観を譲ることができず、すれ違い、傷つき傷つけ合いながらも寄り添う十矢とネリ。
彼の嫉妬に燃える瞳と、噛みつくような独占欲、身も心も焦げるくらいの激しい愛にハラハラが止まりませんでした。
クールでぶっきらぼうな後輩、ハルは「捨て置かれた石ころ」階級の1年生。
昨年公式サイトで行われた「キャラクター人気投票企画」で第1位を獲得した彼の魅力は、ずばり“ツンデレ”。
初めはとんでもなくツンツンしていますが、何かと世話を焼くネリに段々と心を開いていきます。
ネリを想うようになってからは、年下であることや低い身長のことを気にしたり、彼女の前で格好よくありたいと一生懸命に振る舞います。
そんなところが可愛いのですが、更に彼は甘え上手。口では素直に甘えませんが、ベッドに潜りこんできたりと、行動がとても可愛いのです。
全体の中でも彼のルートのテーマはかなり重めですが、その分、彼の涙や笑顔が愛おしく、エンディングは涙なしでは見れません。
おすすめポイントをご紹介!
★斬新な「階級制度」
学園には、女王を頂点に、「咲き誇る薔薇」、「名もなきミツバチ」、「捨て置かれた石ころ」という順に階級制度があり、生徒たちは、女王の定めたその階級に従い、学園生活を送っています。
下の階級から上の階級に話しかけることはできませんし、最底辺である「石ころ」は雑用を押し付けられたり、ストレスのはけ口にされたりと奴隷のような生活を強いられます。
ネリは当初、「ミツバチ」として転入し、物語の進めかたによって「薔薇階級」に昇進、または「石ころ階級」に降格されます。
彼女の立場によって、主人公の振る舞いや周囲の反応、エンディングが様々に変化していきます。
それぞれのキャラクターには、薔薇ルート・石ころルート・真相ルートの3種類が用意されており、
エンディングの種類も豊富で、ボリュームたっぷりの内容となっています。
★手に汗握るストーリー
ハラハラ・ドキドキさせられるシチュエーションが多いのが『絶対階級学園』の魅力の一つです。
階級制度によって態度を豹変させるキャラクターたち。
相手を想うが故のすれ違い。
そして、学園を渦巻く陰謀。
セレブ階級の生徒たちの隠された過去……
ネリは次から次へとピンチに追い込まれてしまいます。
それを乗り越えた先に待っている、ハッピーエンドと爽快感!
全体的に見るとスイートよりもビター。そして、ビターよりもブラック。そんな物語です。
★共感できる等身大の主人公
主人公の藤枝ネリは、素直で明るく、芯が強い前向きな性格です。
しかし、一方ではきらびやかな世界に憧れたり、周りに順応しようと躍起になったりと、彼女のリアルな欲求が垣間見えたりします。
ごく普通の等身大の女の子の彼女だからこそ、共感性が高く、心から彼女の恋を応援したくなります。
Vita版は6月30日発売!
丁寧に描かれたシナリオ、豊富なボリューム、魅力的なキャラクターと3拍子揃った『絶対階級学園』。
6月30日に発売されるVita版はファミ通クロスレビューにて、ゴールド殿堂入りを果たしました!
【✨超朗報✨】本日発売「週刊ファミ通2016年7月7日号」様「クロスレビュー」にて、プロトタイプ様『絶対階級学園』PS Vita版が👑ゴールド殿堂入り👑とのこと!発売は6/30!殿堂入りした「絶対階級」の真価、ぜひその目でお確かめを!https://t.co/E1BmebpyX5
— Daisy2official (@Daisy2official) 2016年6月23日
エンディングの中には衝撃的な展開のものもありますが、それこそがプレイ後のすがすがしさに繋がっています。
良い意味で期待を裏切ってくれる本作は、ゲームのシナリオや世界観を重視する方に心からオススメしたい一作です。
PC版公式サイトでは、無料体験版も公開されていますので、ぜひチェックしてみてください!
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