辞書という「舟」作りに挑む人々の熱い挑戦がこの秋、始まります。
あらすじ
「辞書は、言葉の海を渡る一艘の舟」。
玄武書房に務める定年間近の荒木公平(あらきこうへい/声:金尾哲夫)は、自分が去ったあとの「辞書編集部」を任せられる人材を探していた。そんな折、同じく辞書編集部の西岡正志(にしおか まさし/声:神谷浩史)に営業部に変わった人物がいると聞き、会いに行くことに。
その人物、馬締光也(まじめ みつや/声:櫻井孝宏)は、たしかにコミュニケーション力が劣るが、卓越した言語センスを持っており、荒木は辞書編集部にスカウト。
中型国語辞典『大渡海』の完成を目指し、編集部は邁進する。しかし辞書づくりは社内で「金食い虫」と言われ、さらに膨大な時間と根気が必要とされる仕事。
馬締は辞書づくりを通して「言葉」に向き合い、人に向きあい、自分にも向き合っていく。
【PV】
みどころ
誰もが一度は手にしたことがあるだろう「国語辞典」。しかしその国語辞典がどのように作られているかなんて、想像した人はどれぐらいいるのでしょうか。
辞書づくりの過程はもちろん、「この言葉にはそんな意味があったのか」という雑学、また言葉の持つ力について、『舟を編む』は私たちに教えてくれます。
キャラクターデザインは『昭和元禄落語心中』で知られるマンガ家、雲田はるこさん。『舟を編む』の文庫本装丁デザインも手がけています。
すでに『舟を編む』は松田龍平さん(馬締)、オダギリジョーさん(西岡)、宮崎あおいさん(香具矢)のキャストで実写映画化しているため、どうしてもそのイメージが強いのですが、アニメのキャラクターデザインは「そうそう、このボサボサで猫背な感じが馬締!」「明るい茶髪にちょっとつり目っぽいのが西岡だよね!」と、また新たな『舟を編む』の世界を打ち出しています。
原作小説では視点が展開によって変わります。もちろん大半は主人公である馬締なのですが、物語の最初はベテラン社員の荒木。そしてチャラ男の西岡、『大渡海』完成ごろには岸辺。それぞれの視点から辞書作りはなにか、仕事とはなにか、そして馬締がどういう人物なのか語られ、読者も登場人物の誰かに自分を照らし合わせ、すんなりと感情移入しやすくなっています。
アニメ版ではその視点の移り変わるのか、また言葉という動きがない「文字」がどのようにアニメーションで表現されるのかも楽しみです。
キャラクター
【紹介】
馬締光也(まじめ みつや) CV:櫻井孝宏玄武書房・第1営業部に所属。
営業マンではあるが、口下手で自分の想いをうまく相手に
伝えられない。西岡との出会いをきっかけに、
言葉に対する能力を開花していく。 #舟を編む pic.twitter.com/V87XQ5LYjI— アニメ『舟を編む』10/13 OA! (@funewoamu_anime) 2016年8月18日
【紹介】
西岡正志(にしおか まさし) CV:神谷浩史
玄武書房・辞書編集部に所属。見た目通りのチャラ男でコミュニケーション能力は高いが辞書編集に興味はない。書店で営業中の馬締と出会い、辞書編集にその能力を発揮していく。#舟を編む pic.twitter.com/622Ib6CRc0— アニメ『舟を編む』10/13 OA! (@funewoamu_anime) 2016年8月18日
馬締光也(まじめ みつや)/声:櫻井孝宏
主人公。ボサボサ髪で容姿に無頓着。大学では言語学を専攻していた。早雲荘に学生時代から下宿を続けており、部屋は本で溢れかえっている。自分が一般人と少し違っていることは理解しているが、あまり気にしてはいない。
西岡正志(にしおか まさし)/声:神谷浩史
玄武書房辞書編集部員。馬締と同じ年だが、馬締は院卒のため同期ではない。見た目も性格もいわゆる「チャラ男」で、馬締と正反対の性格をしている。しかしそのコミュニケーション能力こそが後々の馬締を救うこととなる。
荒木公平(あらきこうへい)/声:金尾哲夫
玄武書房辞書編集部員。入社以来辞書編集に携わるベテラン社員。『大渡海』を完成させるための人材として、馬締を引っ張ってきた張本人。定年後は嘱託として『大渡海』に携わる。
林 香具矢(はやし かぐや)/声:坂本真綾
馬締の下宿の大家の孫娘。板前の修行中で京都から早雲荘へ引っ越してきた。とても美しい容姿をしており、馬締から驚くような恋文を渡されることとなる。
松本 朋佑(まつもと ともすけ)/声:麦人
編集部全員が「松本先生」と慕う国語学者で、『大渡海』の監修者。身体の細い、年齢不詳の老人。ずっと荒木と二人三脚で辞書づくりに情熱を捧げてきた人物。
佐々木 薫(ささき かおる)/声 :榊原良子
辞書編集部の契約社員。編集部内の事務仕事すべてを請け負う。非常に仕事能力が高く、編集部の縁の下の力持ち的存在。
岸辺 みどり(きしべ みどり)/声:日笠陽子
途中から編集部に移動してくる玄武書房社員。ファッション誌から辞書編集部に異動に。最初は辞書編集部に馴染めなかったものの、馬締たちと熱心に辞書づくりに励むことになる。
放送情報
アニメ『舟を編む』は2016年10月13日(木)よりフジテレビ「ノイタミナ」でスタート。第1話のみ、Amazonプライム・ビデオにて日本時間10月12日(水)24時より先行配信されます(2話以降はフジテレビ放送直後から配信)。
現代の私たちはわからない言葉、読めない漢字があればすぐネットで調べてしまします。しかしこの物語を読むと、紙の辞書を引きたくなります。手に馴染む表紙の素材。とても薄いページに使われている紙。みっちりと並べられた文字。独特な文字書体……。
読書の秋にぴったりな物語が、始まります。
配信:10月12日(水)24:00~Amazonプライム・ビデオ(2話以降は 木曜27:00~配信)
- 『舟を編む (光文社文庫)』
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